パース制作料金について
仕様目的により大きく変わる料金体系
パースを依頼するときに、一体どのくらいの金額でやってくれるのか?ということは、とても気になるところです。パースの制作を依頼する際に、その金額は、対象となる建物の大きさや内容、素材や数量などによって変わってきます。対象物がマンションや戸建て、商業施設であれば3Dモデリングの複雑さによって、かかる手間も時間も大幅に変わります。図面に存在しない家具や木を植えるなどの作業によっても、また金額は変動します。
照明の設定を変更し、時間帯を変化させたパースの制作や、視点を変えたパースの追加もコストがさらにかかってきます。壁や床の素材を変えるなど行う際にも、同様です。パース制作をスムーズに進めるためには、パース制作における主な流れをきちんと理解した上で、最適とされる時期に正確な情報を提供することが重要です。専門業者を選んで依頼を行う際には、その業者の制作の流れをしっかりと理解し、上手く連携をしながら業務を進めていく必要があります。
パース制作の金額や納期には、その建物の規模などだけに限らず、品質や出力数によっても変わってきます。高精細なデータであれば、色々な用途に活用可能ですが、高額であったり、納期もかかる可能性が高くあります。パース制作の流れの詳細は、業者によってバラつきもありますが、大まかには以下のようになります。
①依頼受付
②見積もり・スケジュール
③受注
④3Dモデリング
⑤テクスチャ制作
⑥光源設定・視点設定
⑦最終チェック・納品
まず、制作依頼をしたいパースについての資料や詳細を連絡します。提供資料には、平面図や立体図などの図面、そしてスケッチや仕様書、必要であれば現場の写真を提供します。新築物件については、依頼時に図面が全て揃わないケースもありますが、そうした図面の提供時期は打ち合わせをすることによって、決定していきます。また、どんなパースが必要であるのかということを描いたスケッチや仕様書等は、細かく示す必要があります。使用用途を明確にすることで、納品時の品質や、素材をより適切なものへと変化させていくことができます。
その後、提供資料と、仕様などから、見積もりとスケジュールが提出されますが、理想のものとズレが生じている際には、提案資料の修正を行います。制作するパースの数や種類、追加する装飾品や家具などを見直すことにより、納期や金額が変わっていきます。費用やスケジュールに合意をすると、業務へと移行していきます。契約時は、素材によっては完成したパースの仕様目的や期限等に留0留を設けるようなケースもあります。
3Dモデリングのプロセスでは、提供された図面やデータから、立体図形を制作していきます。図面が全て揃っていれば、わりと容易な作業となりますが、揃っていない場合には、データ補完などをしながら進めていくことが必要とされます。3Dモデリングの完成段階で、確認をします。テクスチャの制作過程では、天井や壁、床や屋根などの素材に合わせたテクスチャを制作し、仕上げていきます。この際、制作するパースの視点は、ある程度決定しておきます。
提供された素材を活用し、エクステリアや装飾などを加えていきます。外観パースでは道路や建築物、内観パースでは照明や家具などが当てはまります。仕様確認により、決定された視点であったり、光源を基礎に、パースを複数制作し、提出を行います。必要であれば調整し、最終的な視点と光源のセッティングを決め、正式に出力となります。
最終チェックでは、3Dモデリングや色調、素材などのイメージを確認し、指定の形で納品を行います。最終チェックの際に利用した素材などに著作権等の問題のないことも見ておきます。そして、出力データの形式は、仕様確認のプロセスにおいて決定しておきます。途中で仕様変更をしたり、データの変更が発生した際には、金額やスケジュールに影響の出るケースもあります。
リーズナブルな料金で実現できる事
プレゼンテーション用や、提案用のパースであれば、高精細な画像が不必要であるので、リーズナブルな金額で制作をしてもらえます。また、平面図や立体図、配置図等の図面を、全てCADデータを活用して提供するといった場合にも、安価になります。具体的な例を挙げると、基本的に戸建住宅などの小規模建築に使用するプレゼンテーションや、低価格のパースでは、1点4万円ほどからの価格となります。これがオフィスや店などになると、照明や家具などのアイテムが増加するので、1点5万円ほどからとなるのです。
用途によってパース制作料金は変わる
パースの依頼をするときに、その料金は使用用途によって変わると覚えておく必要があるでしょう。それは何故かというと、対象物の規模や手間、素材の種類や仕上がりの品質などによって大きく変わるからです。対象物が、戸建やマンション、商業施設などでもそれらの複雑さは全く変わるわけです。それ以外にも、図面に含まれていないパーツを追加するだけでも、料金は変動するのです。また、光源設定などでも同じように変動します。視点を変えたり、新たに追加したりといったときには追加費用がかかり、素材を変更した際にも同じことが言えます。
パース制作の納期や料金は、その建物のパース数や規模、配置素材によって変動します。プレゼンテーション用の仕上げの品質と、広告用やコンペ用の高精細の品質のパースによっても、料金には大幅な開きがあるのです。出来るだけ料金を低価格に、そして素早い納期で制作してくれる制作会社を選ぶことも良いでしょう。しかしその際には、後で後悔をしないためにも、事前にその業者にどのような実績があって、対応はどうであるのか、きちんと仕事をしてくれるのかということや、アフターフォローはしっかりとしているのかといったことまで、調べておく必要があります。
場面によって必要なパースは変わる
パースには種類があり、常に同じものではなく、可視化するポイントにより、建物の外観や室内の構造、あるいは周囲の環境などの種類が存在します。その他に、制作技法によっては手書きパースやCG、実際の写真を活用した合成パースなども存在しています。それらは、使用うする場面に応じて、最も適切であるとされるものに変化をしていきます。主なパースの種類には、以下の5つが挙げられます。
①内観パース
②外観パース
③手書きパース
④鳥瞰パース
⑤合成パース
内観パースは、建物内部の間取りであったり、それぞれの部屋を、まるで実際にそこにいるかのようなイメージで作成をするパースのことです。インテリアや家具をエンドクライアントの理想通りに配置し、制作をしていくことにより、さらなるイメージを湧き起こすことができるパースでもあります。外観パースは、建物を外側から見て表現したものとなっています。建物外観をよりリアリティーをもってイメージさせることが可能で、周囲の環境なども含めて表現することができます。
外観パースの活用は、エクステリアや周囲との釣り合いも考えながら細かいデザインを把握したり、変更していくことが可能です。また、手書きパースは、手書きで制作を行ったパースのことをいいます。手書きパースには、設計データなどが必要ないため、細かな内容が決まっていない段階であっても、制作することができるといったメリットがあります。状況に応じて、手書きで迅速にパースを見せられるといった利点も、手書きパースの強みとされています。
鳥瞰パースは、建物の外部や室内を、上空より俯瞰したように描かれたパースのことを指します。このパースは、レイアウト全体を解説する際の資料として活用されることも多くあります。実際には、見ることの困難な角度からの表現であり、十分な立体感を演出することができます。商業施設などの多くの人が行き交う建物では、出入り口やサービススポットなど、全体としてのレイアウトが必要となるため、そうしたレイアウトの確認や把握に効果的なパースとなっています。
次に合成パースですが、これはCGで制作したパースと、実際の写真を合成して制作するパースのことをいいます。実際の景観や人物とCGの合成を行うことにより、実写に近い表現をすることが可能です。また、パースの制作期間を短くすることもできるのが合成パースです。建物の一部を変えるようなときに、現在ある写真に合成を行うことによって、完成後のイメージをしやすくなります。特に、景観に帰省のあるエリアでの建築には、合成パースを活用することで、景観の変化がより顕著となり、有益な資料となるのです。
建築パースは、建物や施設などの建築物の完成予想イメージを、奥行きを感じさせながら表現をした図になります。これにおけるプロセスや、使用目的によって、手書きパースやCGパース、または写真とCGパースを合成させて制作していきます。どの建築パースも、使用する用途に応じて、変化をさせたり、施主のリクエストに、柔軟に対応したりすることが可能です。但し、建築パースは、どのように活用するかによって、料金に大きく変動が出ますので、依頼したい業者を見つけたときには、必ず料金体系の把握と、金額に見合う制作を行ってくれるのかどうかということを、きちんと見極めておくことが必要です。