建築パースは建築関係者以外にも完成した建物が想像できる、いわば完成後のイメージ図です。
これは多くが外観を中心としたものを占めていますが、場合によっては内装の建築パースを作成することもあります。
今回は、建築パースの内観というテーマで、そもそも建築パースの内観はどのようなもので、どのように作成されるのかといった点を中心に解説していきます。
内観の建築パースとは?
内観の建築パースとは、内観パースとも呼ばれ、文字通り内装のイメージ図になります。
例えば、建売マンションのダイニングやコンペの際の大型施設の内装などを対象に作成します。
単に何もない家の状態を建築パースで表現するのではなく、住宅であれば照明器具や家具、施設であれば植栽やロビーのソファといった、使用時の内装をイメージしやすい小道具も描き加えて行くのが特徴です。
あたかも実際に利用する場面を連想できるような描写が求められます。
また、外観を中心とした一般的な建築パース同様に一般の方でもイメージしやすいメリットもあります。
最近は、不動産の建売住宅やマンションのイメージ図としても盛んに内装の建築パースが用いられるようになっており、身近な建築関連の図になっています。
内装の建築パースの特徴や種類
建築パースの内装は2点透視を利用しています。
これは消失点と呼ばれる線が2点に集中していく画法です。
こうすることで奥行きや利用する際の内装や実際の視野に近い画像が得られるメリットがあります。
他には1点透視法と呼ばれるものがありますが、こちらは絵画の世界で用いられるものの、建築パースで利用されることはほとんどありません。
内装の建築パースは、手描きとCGの2種類があります。
かつては手描きが主流でしたが、現在はCGがメインです。
CGは専用のグラフィックソフトを使って書いていく手法で、あらかじめパーツや家具などの小物が作成されているので、基本的な建築パースを作成後に小物を置いていくだけで済むというメリットがあります。
これによって従来の手描きよりも短時間で仕上げられるようになり、修正も容易になりました。
内装の建築パースが活躍するシーン
前述しましたが、活躍できるシーンがあるからこそ内装の建築パースを作成するのです。
その活躍するシーンは、内装の提案をするシーンです。
先ほど触れた建売住宅やマンション、施設などのイメージ図としての場面です。
この内装の建築パースを利用することで、コンペでの評価も上がりやすく、住宅の購入を考えている人が購入しやすくなると言ったメリットがあります。
図面だけではイメージできない方にも建築パースを用いることで、よりスムースな交渉が可能になるでしょう。
また、人目線の高さからのアングルで作られた内装の建築パースは、見た人にあたかも完成後の疑似体験をもたらします。
こういった体験を提供できる建築パースは、絶大な説得力を持つツールになります。
まとめ
建築パースは一般的に外観を作成することが多いのですが、内装部分を作成することもあります。
空間設計の完成イメージとして利用されているこの建築パースは、いわば完成予想図です。
そのため、住宅であれば家具や観葉植物といったインテリア、施設であれば什器などを書き込むといった演出も行います。
内観パースと呼ばれるこの建築パースは、建売住宅やマンションなどを購入する際やコンペなどの機会で活躍する特徴があります。
さらに最近ではCGで作成されることも多くなったので、短時間での建築パース作成が可能となり、チラシやCMなどでたくさん目にするようになりました。