パースは通常建築物の外観を描いた図面を言います。
しかし、パースには様々な種類があり、今回紹介する内観パースもその1つです。
この内観パースについて、その概要や書き方、その種類について紹介し、まとめました。
これを読めばきっと、パースの一種である内観パースについて多くのことが分かるのではないでしょうか。
それでは紹介していきましょう。
■内観パースとは?
内観パースとは、端的にいえば内装の完成予想図です。
外観の状態だけでなく、家具や照明器具といった内装を彩る小道具なども書き込んで、
実際にその室内で利用することをイメージできるような図として描写されているのが特徴といえます。
立体的に表現することに重きを置いた画法なので、一般の方でも図面を見て分かりにくい場合に、
完成した際の予想がイメージしやすいというメリットがあります。
特に未完成物件、例えば分譲前のマンションや建売住宅などを販売する際に購入予定があったり、
購入の見込みや希望がある顧客に、どういった物件かを伝える際に有効なものといえる図です。
■多彩な内観パースの書き方を紹介
内観パースは、2点透視を利用している点が特徴です。
この技法は、遠近感を高める際に用いられる技法で、消失点といわれるポイントを2つ用意しています。
この書き方は、斜めから見ているという点が正面から見た一点透視法との違いといえ、
一点透視法ではなかなか得られない奥行きや利用する際の内装の実際の視野に近い画像を描くことが可能です。
また書き方は手書きとCGがあります。
手書きは文字通り手で描く技法であり、現在は主流ではなくなりましたが、
手書き風のCGの内観パースという形で現在もみられます。
CGはグラフィックソフトを使った内観パースの書き方で、コンピューターを使って描く方法です。
最近は、既製品のパーツや小物があらかじめ作成された素材のパックがソフトに入っていることも多く、
以前よりも短時間で内観パースを制作できる環境になりました。
■内観パースの建築上の意義
内観パースの建築上の意義は、購入予定の方や見込み顧客の方、コンペなど建築の知識の有無にかかわらず、
多くの方に完成予想図という形で内装を提案できることです。
この意義によって、より購入しやすく、あるいはコンペで評価しやすくなります。
どんなに図面が読めても、あるいは一般の方のように図面が一切読めない方であっても、
内観パースの説得力の大きさは、絶大です。
よりイメージが進み、どんなものが作られるのか、
あるいは依頼したらどのようなものを作ってくれるのかと言うイメージを与える大きな武器となるでしょう。
まとめ
内観パースは、文字通り内装を書いた完成予想図です。
その特徴として、単に設計上の内装を書いただけでなく、住宅であればテレビやソファ、
観葉植物といった家具やインテリア、ビルであればデスクや什器などを書き込むといった、
演出を行うことも少なくありません。
そんな内観パースは、
主に顧客が住宅やマンションなどを購入する際に購入後の生活をイメージできるような予想図として
建築上の意義があります。
また、従来は手書きが主でしたが、コンピューターグラフィックの普及によって、
内観パースもCGによるものが主流になりました。
さらに素材集とも言えるCGのパースの素材がたくさん入ったソフトもプロ向けに販売されています。
このように、内装パースは建築の現場でも多用され、それに利用されるソフトも非常に多くあるのが特徴です。
また、2点透視による技法も、より臨場感のある雰囲気を与え、見る人の視点に立った見やすい描写といえます。